2015.08.27

vol.25 古酒の会のワイン(その2)

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1970シャトー・マルゴー

シャトーマルゴーといえば、1855年に制定されたボルドーのメドック格付けにおいて第1級に格付けされており、(当時は味わいの評価での格付けではありませんでしたが…)しかし実際その味わいの評価は素晴らしく、
シャトーマルゴーを愛した偉人達は、第3代アメリカ大統領のトーマス・ジェファーソン、作家のアーネスト・ヘミングウェイ等が挙げられ、映画や数々の書籍にも登場してきました。
シャトーマルゴーといえば私は2006年の2月にシャトーを訪問したことがあります。日程的な都合もあって、4件のシャトー見学だけでしたが、その中の一つでシャトーマルゴーにいくことができました。ラベルに描かれているシャトーと同じ建物が目の前にあることに感動したことを鮮明に覚えています。醸造所はシャトーのすぐ横にあり、歴史を感じさせる醗酵樽がありました。熟成樽の貯蔵庫は、甘く若々しいワインの心地よい香りがたちこめており、これがシャトーマルゴーの香りなのだとたっぷり深呼吸したことと、テイスティングルームで試飲させてもらった1999年のシャトーマルゴーの味は強烈に印象に残っています。
話が思い出話にそれてしまいましたが、そのような「偉大な」と言われるシャトーマルゴーですが、60年代〜70年代までスランプと言われた時期があります。前オーナーのジネステ家が所有していた時代の中でも、60年代半ばから77年まではブドウ栽培に手がかけられず、酒質の軽いワインが造られました。
この年代の物はワイン通の中では買ってはいけないヴィンテージとまで言われいており、私もボルドーを訪れた際に、ツアーガイドから言われたのを憶えています。私はスランプ期の73年、75年を味わう機会があり、どちらも湿った木の皮を連想させる香りと金属的な香りの印象で、共通して少しのことでバランスが崩れてしまいそうなとても繊細な味わいでした。しかしそこにはボリュームを持つワインにはない魅力が感じられました
長きにわたって名声を得てきたシャトーにも様々な時代背景と苦難があり、その時代があったからこそ現在の揺るがないシャトーマルゴーが確立されているのだなと思うと、より魅力を感じるのは私だけではないと思います。そんな時代のシャトーマルゴーの味わいは私たちをどんな気持ちにさせてくれるのでしょう。時代背景に想いをはせながら味わっていただきたいワインです。

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