2015.10.13

vol.29 古酒の会ワイン(その6)

1900年 グランシャンパーニュ ギィドベルザック コニャック

コニャックと言うとワインなどと比較すると口にする機会は少なく、一部の愛好家が好むといったイメージを持ってしまうブランデーですが、詳しく調べると由緒あるお酒である事がわかり、憧れを持ってしまうお酒です。

フランスは世界1のブランデーの生産国で、コニャック、アルマニャックが有名で、その製造方法もワイン法によって厳しく定められています。コニャック地方で作られるブランデーは、土壌によって6つの地区に分類されています。

今回のGuy de Bersacは中でもグランシャンパーニュ地区のぶどう100%で作られています。この地区のものは豊かなボディーと繊細な香りを持ち、長期熟成に向いた最高級品となります。

ちなみにシャンパーニュといえば発泡性のワインを生む偉大な産地がありますが、なぜ同じ名称かと言うとシャンパーニュ地方を眺める景色とコニャック地方の中心地の丘から眺める景色がそっくりだったことから、コニャック地方にこのグランシャンパーニュと言うと地区名をつけたと言われています。また、コニャックのボトルにワインと同じような年号を入れることはほとんどありません。熟成の古い原酒と新しい原酒をブレンドし複雑さ、華やかさ、バランスを持たせ、熟成年月を示す符号(VO,XO,NAPOIEONなど)をつけてボトリングされます。よって特定の年号を入れることはできないのですが、1935年のフランスワイン法が制定されるくらいまでは、単一年をつけられたコニャックも存在していました。しかし、よほど良い天候に恵まれたものでなければ複雑さは備わらなかったようです。今回の1900年は20世紀最高のビッグヴィンテージです。1900年のユニブラン種を使ったコニャックを2000年のちょうど100年の節目の年に味わってもらうために瓶詰めされた特別な記念ボトルです。100年以上の熟成コニャックは私も初めてです。

このコニャックは1900年収穫のぶどうで作った原酒をガラス製の大きな酒瓶に詰めて長期保存し、それをボトルに詰めてリリースしたものです。

コニャックの熟成酒を比較試飲するという機会はなかなかありませんが、1920年のコニャックをテイスティングしたときに、XO,EXTRAと言った熟成年月の長いものと比べても、表現する事のできないくらい特別なまろやかさと何種類ものドライフルーツのフレーバーを感じました。

1世紀以上の歳月を過ごしたコニャックは特別なワイン会の最後を締めくくるのにはぴったりの美酒ではないかと思います。

2016年1月16日開催予定の古酒のワイン会では、特別な銘柄が登場します。ボトルに込められた先人たちの想いと歴史を感じながら、お料理と共に素敵な時間を過ごしましょう!

コニャック

 

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