top
支配人野村からのPetit Bonbeur(ささやかな幸せ)
 
TOP > 支配人野村からのPetit Bonbeur(ささやかな幸せ)

Maitre d'hotel  Hideya Nomura

シニアソムリエの資格を持つメートル・ド・テル野村秀也が、
エスポワールでの料理とワインのマリアージュや食後酒、シガー、調度品のこだわりや楽しみ方をご紹介していきます。
エスポワールでのひと時をより楽しく充実したものとしていただけるよう、ご案内していきたいと思います。
エスポワールにご来店の際は、是非ご参考になさってください。

メートル・ド・テル野村秀也

~ 野村秀也 プロフィール ~

 1979年塩尻市生まれ / 2000年エスポワール入社 / 2005年JSA認定ソムリエ資格取得 / 2010年JSA認定シニアソムリエ資格取得

カテゴリー: メートル野村から

vol.34 MANCHE A GIOT

エスポワールの店内には様々な調度品が置かれています。このコーナーでも何度か絵画や器などのご紹介いたしました。 今回はエスポワールのエントランスにかけられている額についてのお話です。 この額に入れられているのは絵画ではなく、銀器です。画材屋さんにお願いして銀器のイメージに合わせて額を作ってはめ込んででもらった物です。この銀器はお客さまからもよく「これは何ですか?」と尋ねられることがあります。日本ではほとんど見かけることはできませんが、マンシュアジゴーと呼ばれます。英名にするとBONE HOLDER といわれ、骨付きモモ肉の骨の部分をこの銀器でつかみ、手を汚さずにお肉を食べたり、切り分けたりするのに使われる道具です。いかにも美食大国フランスならではです。 これは今から14年前の2002年にフランスにて購入したものです。わたしも入社2年目で生まれて初めてフランスに連れて行ってもらったときでした。フランスの町並みと、どこで食べてもおいしいパンに感激したのを思い出します。ホテルの朝食で出てくるクロワッサンがあまりにもおいしく、毎朝朝食を食べ過ぎてしまいました。フランス研修旅行の
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.33 腎臓病食について 低たんぱくフレンチコース

エスポワールでは数年前から、腎臓病を患い、食事制限をされている方々にもフランス料理を楽しんで頂けるよう、低たんぱくフレンチコースの提供にも取り組んでいます。 スタートした当初に比べると、徐々に低たんぱくフレンチコースをご予約いただくことが増えてきました。このような腎臓病食をはじめたきっかけは、長野県にある松本大学の健康栄養学科の講師をシェフが引き受けたときの、ある家族との出会いがきっかけでした。 授業の一環で提供したコース料理の栄養価をすべて表記した事に、お父さんが腎臓病をわずらっているという家族が「安心して食べることが出来た。」とわざわざお礼をきてくれたそうです。詳しく話を聞き、そこでたんぱく制限の食事の事を知ったそうです。そのことがあり、シェフは腎臓病食について調べ始めました。ちょうどその頃に入社した1人の厨房スタッフが管理栄養士の資格を持っていたことで、彼からも情報を聴きながら低たんぱくフレンチを考案し、試作していきました。私もそうだったのですが、腎臓病食というと、たんぱく質を抑えた料理という大まかなもので、実際に食事を提供するにあたって、その難しさを実感しました。
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.32 エスポワールのワイン会の話

エスポワールでは、年に二回ほどですが、ワイン会を開催しています。この「支配人から~」でもワイン会で扱うワインの話を載せたこともありましたが、今回はワインに合わせて準備された料理についてお話したいと思います。 ワイン会にご参加いただいたお客様に「ワインと料理の組み合わせはワインに料理を合わせたのか?料理に合わせてワインを決めたのか?」とよく質問を受けます。エスポワールのワイン会では、まず私が会のテーマを決め、それに沿ったワイン選びをします。同じようなワインばかりにならないよう、味の比較や年号による違いなども感じていただけるように選んでいきます。 料理はシェフの感性で「こういった料理を食べていただきたい」というイメージを膨らませてメニューを考えます。その時点で私にもメニューのイメージを教えてもらいます。そして、この料理にはこのワインといった銘柄を絞りこんで外枠が決まっていくのです。 シェフの方ではより料理内容を具体化させていき、香り、旨み、酸味、苦味、甘味といった五味に、さらに複雑さを持たせながら、より細かな味をイメージしていきます。加えて、食感も楽しんでいただけるよう、
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.31 至高のマリアージュ

私はエスポワールで何年もソムリエの仕事をしていますが、サービスをしながらでも憧れる料理とワインのマリアージュが幾つもありました。料理とワインは一期一会です。この先、全く同じ組み合わせというのは実現することはないかもしれませんが、憧れるマリアージュの中の一つをご紹介します。 半月ほど前になりますが、エスポワールのオープン以来ご利用いただいている常連のお客様にお出しした料理とワインが、まさに「味わってみたい!」と思う組み合わせでした。 この日のディナーコースのお魚料理は『鮑と牛肉のパイ包み焼き』でした。ネーミングはシンプルですが、これがまた複雑な味わいに仕上がる料理です。主役の鮑は、白ワインと富士見町産のセロリと共に煮込み、身を柔らかくするのと同時に爽やかな香りをつけます。その鮑と一緒に、牛すじ肉の赤ワインで煮、さらにイカスミを加え、パイ生地に包んで焼き上げます。ソースは鮑を煮込んだ白ワインとセロリの煮汁にコクと香りの複雑さをつけるために、バターとヴェルモット(香草で香りをつけたワイン)を加えてさらに煮詰め仕上げています。濃厚ではありますが爽やかな印象です。付け合わせはソースの
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.30 ステンドグラス

エスポワールには様々な思い入れのある調度品があります。今回はステンドグラスについてのお話をさせていただきます。 ステンドグラスの歴史は古く、フランスで発展したと言われており、大聖堂などに使われることが多く神秘的な存在です。デザインによって印象が変わるので様々な場所で使われてきました。 日本でも学校や病院、一般のご家庭でもステンドグラスを取り入れているところをよく見かけます。エスポワールにも二ヶ所ステンドグラスをはめ込んでいる箇所があります。一つはレストランの正面玄関を入って、フロントスペースの上部にはめ込まれたイギリス製のアンティークステンドグラスです。レストラン入り口方向への矢印型で『中へどうぞ』の意味を込めて取り付けたとシェフから聞いています。 もう一つはメインダイニングの一番奥に、たて60cm、横140cmの大きなステンドグラスがはめ込まれています。これは2004年に長野県の信州新町で製作活動をされている山口さんという方がデザインと製作をしてくださったものです。『五月の風』という題名がつけられた作品で、澄んだ蓼科に吹く風をイメージしています。 2点の作品に
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.29 古酒の会ワイン(その6)

1900年 グランシャンパーニュ ギィドベルザック コニャック コニャックと言うとワインなどと比較すると口にする機会は少なく、一部の愛好家が好むといったイメージを持ってしまうブランデーですが、詳しく調べると由緒あるお酒である事がわかり、憧れを持ってしまうお酒です。 フランスは世界1のブランデーの生産国で、コニャック、アルマニャックが有名で、その製造方法もワイン法によって厳しく定められています。コニャック地方で作られるブランデーは、土壌によって6つの地区に分類されています。 今回のGuy de Bersacは中でもグランシャンパーニュ地区のぶどう100%で作られています。この地区のものは豊かなボディーと繊細な香りを持ち、長期熟成に向いた最高級品となります。 ちなみにシャンパーニュといえば発泡性のワインを生む偉大な産地がありますが、なぜ同じ名称かと言うとシャンパーニュ地方を眺める景色とコニャック地方の中心地の丘から眺める景色がそっくりだったことから、コニャック地方にこのグランシャンパーニュと言うと地区名をつけたと言われています。また、コニャックのボトルにワインと同じ
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.28 古酒の会ワイン(その5)

1955年 シャトーコスデストゥルネル   サンテステフ シャトーコスデストゥルネルは1855年に制定された、ボルドー地方のメドック格付けに於いて、第2級に格付けされた名門シャトーです。『Cos』はガスコーニュ地方の古い言葉で小玉石という意味を持ち、デストゥルネル家の小玉石という名を持つワインです。コスデストゥルネルはメルローの比率が高いため、柔らかさを持ち、サンテステフ村のワインの特徴と言える力強さも備えています。近年では早くからでも楽しめるスタイルに作られていますが、熟成させることでさらにその真価が発揮されます。 コスデストゥルネルといえば、シャトーの建物が特徴的で、東洋の建造物を連想させます。一目でコスデストゥルネルとわかる建物で、ワインボトルのラベルにも描かれています。一説によるとその昔、コスデストゥルネルは新しい市場を開拓するために、赤道を越えてワインの売り込みに東洋に出たところ、ワインが赤道付近の暑さによって味が変化してしまったそうです。しかし、それが中国ではうけいれられ、アジアでコスデストゥルネルの人気が高まり、その出来事に因んでシャトーを今のデザインにしたそ
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.27 古酒の会ワイン(その4)

66年 ロマネサンヴィヴァン レ カトルジュルノー 私がワインに興味を持ち始めた頃、ワインに力を入れていた酒屋さんによく行っていました。 当時はワインのボトルを眺めて名前を覚えていくのが楽しくて仕方なかったのですが、その酒屋さんに、このルイ・ラトゥール社のロマネサンヴィヴァン レ カトルジュルノーが大事に寝かされていました。そのボトルからはその存在感ゆえのオーラが出ているように感じました。(もしかしたら1本だけ木箱に入って置かれていたこともあって、よりそう感じたのかもしれませんが…) 『カトル・ジュルノー』とは4日間分の畑作業を意味する言葉で、0、76hlを所有しています。ちょうどロマネ コンティとおなじくらいの面積です。その歴史は1131年にサンヴィヴァン修道院に畑が寄贈されたことに始まり、1898年にロマネサンヴィヴァンの大地主であったマレイ・モンジュ家からルイラトゥール社が購入しています。 ルイラトゥールの持つロマネサンヴィヴァンの畑は、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ロマネコンティの畑に隣接しており、道を挟んだ土手にルイラトゥールの白い看板が立っています
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.26 古酒の会ワイン(その3)

’88 Montrachet Chateau de Herbeax 世の中で生産される白ワインの銘柄は星の数のようにあります。その中でも「白ワインの王」とたたえられるのはフランス、ブルゴーニュ地方のMontrachet grand cruにおいてほかはありません。生産者たちの間でも特別な扱いをされる存在です。 モンラッシェの畑の歴史は古く1152年にピュリニーモンラッシェ村、1286年にシャサーニュモンラッシェ村の畑が寄贈されたのが始まりといわれています。モンラッシェの畑は先に述べた2つの村にまたがっており、どちらの村の畑かで個性が変わると言われています。ピュリニー側は清涼感がある香りときめ細かな酸を持ち、シャサーニュ側は熟したフルーツ、スパイスの香りと厚いボディーを持つワインになると言われています。今回のモンラッシェはシャサーニュモンラッシェ村側です。こちら側で栽培された葡萄を使ったものは『ル・モンラッシェ』と呼ばれています。(ラベルに表記している作り手もいますが、徐々に少なくなっています) 今回のモンラッシェの作り手名はChateau de Herbeaxとあり、
・・・続きを読む
カテゴリー: メートル野村から

vol.25 古酒の会のワイン(その2)

1970シャトー・マルゴー シャトーマルゴーといえば、1855年に制定されたボルドーのメドック格付けにおいて第1級に格付けされており、(当時は味わいの評価での格付けではありませんでしたが…)しかし実際その味わいの評価は素晴らしく、 シャトーマルゴーを愛した偉人達は、第3代アメリカ大統領のトーマス・ジェファーソン、作家のアーネスト・ヘミングウェイ等が挙げられ、映画や数々の書籍にも登場してきました。 シャトーマルゴーといえば私は2006年の2月にシャトーを訪問したことがあります。日程的な都合もあって、4件のシャトー見学だけでしたが、その中の一つでシャトーマルゴーにいくことができました。ラベルに描かれているシャトーと同じ建物が目の前にあることに感動したことを鮮明に覚えています。醸造所はシャトーのすぐ横にあり、歴史を感じさせる醗酵樽がありました。熟成樽の貯蔵庫は、甘く若々しいワインの心地よい香りがたちこめており、これがシャトーマルゴーの香りなのだとたっぷり深呼吸したことと、テイスティングルームで試飲させてもらった1999年のシャトーマルゴーの味は強烈に印象に残っています。 話が思い
・・・続きを読む