食後酒とグラス

数多くの食後酒で優雅な気分と食事の余韻を感じて下さい

– 食後酒とグラス –

コニャックグラス×Comte Audoin de Dampierre Cognac XO

ブランデーグラスというと直接手でボウルの部分をもち、
手の体温で温めながら揮発する香りを楽しむという方法がよく言われます。
実際にボウルといわれる部分に少量のお酒を入れて、グラスの
空間に香りを充満させ楽しむというのは理にかなっています。
しかし、コニャックなどの多くの原酒を使い、長い年月をかけて
熟成させたものは、香りも繊細で味わいも柔らかな印象で、
甘いフルーツコンポートの香りや、樽熟成由来のフレーバーが
複雑に備わっています。
このような長い時間とぶどうの栽培家、醸造家やブレンダーによる
芸術ともいえるコニャックを味わうには、ブランデーグラスに
比べると少し細目で小ぶりなコニャック専用グラスで
お楽しみいただくのが良いです。
このグラスを作るリーデル社は、数多くの専用グラスを
作っており、科学的分析を優先するのではなく、実際に人が
飲んでおいしく感じる形状のものを専用グラスとして製造しています。
同じお酒をそれぞれのグラスに注ぐと空間の大きな
ブランデーグラスの方が香を楽しめると思いきや、
アルコールの強い香りを集めてしまい、本来の熟成香が
かぎ取りにくくなってしまいます。
またグラスの淵の形状により、コニャックグラスはアルコールの
刺激をあまり強く感じず柔らかな印象で味わうことが出来ます。
微妙なグラスの形状によっても味の感じ方が変わり食後の楽しみ方の幅も広がります。

50’sロックグラス×Murray McDavid Macallan Aged 12 years


ワインがグラスの形状によって味わいや香りの広がりが
変わる様に、食後酒もグラスによる楽しみ方は様々です。
近年ブームとなったウィスキーは生産国や蒸留所、原料、
熟成により味わいの幅も広くいろいろな楽しみ方が出来ます。
ウィスキーの代表的な味わい方には、オンザロックがあります。
大きな塊の氷をグラスに入れ、ウィスキーを注ぎ込むことで、
空気と接触する面積が大きくなり、その分揮発する香りも多くなります。
それによりアルコールの香りに隠れてしまう繊細なフレーバーを見つけることが出来ます。
このマッカランはバーボン樽、ボルドーワインのシャトーペトリュスの樽で熟成させており、ワイン樽とバーボン樽由来の甘いフレーバーを感じることが出来ます。
また高いアルコール度数により舌が刺激を受け、ストレートでは感じ難い味わいも、少しづつ氷が溶けだすことで感じやすくなります。
さらに選ぶグラスは琥珀色のウィスキーを鮮やかに見せます。
この50年代に製造されたロックグラスは、カットが縦方向に半分までの高さで入っています。
このカットにより照明の光が屈折し琥珀色が輝いて見え、やや上からのぞくと氷とお酒のグラデーションを楽しむことが出来ます。
また氷がグラスとぶつかる高く心地良いか細い音は、何度聞いても飽きません。
これもガラスの厚さ、素材によって様々です。
ウィスキーもグラスにより五感で楽しむものとなり、
食後の余韻をさらに高めてくれます。